プロが教える造園業者を選ぶ際の7つのポイント
造園業者ってどうやって選べばよいのか、専門知識のない自分にはよくわからないと悩んでいませんか?専門知識がなくても簡単にチェックできる以下の7つのポイントを意識して造園業者を選んでみてください。
1. 作業の内容と見積書の説明がきちんとされていますか?
「剪定一式」としか書いていないような見積書は要注意です。
きちんとした造園業者であれば、庭の植木を今後どこまでの大きさに育てるのか、あるいは小さいまま維持するのかなど、お客様の要望をお聞きした上で、育成計画を説明するものです。
このような説明をきちんとせずに作業を行うような業者は、あなたの家の庭が来年、再来年にどんな状態になっていようが全く気にしていません。目の前の売上さえもらえればそれでいいのです。
2. 毎回決まったように同じような肥料やりをしていませんか?
あなたが普段使っている造園業者は、毎年冬に決まって四角い肥料をあげていないでしょうか?もしそうであれば、少し注意が必要かも知れません。
これは、遅効性肥料といって、ゆっくりと植木を元気にさせる肥料です。はた目には肥料をあげているので「肥料やりをしてくれたのだ」と思いますよね?ところが、これは本来の肥料やりの目的とかけ離れた行為と言わざるを得ません。肥料には様々な種類があり、それぞれに目的があります。
花を多く咲かせる肥料。花を長持ちさせるのに有効な肥料。植木全体の元気を取り戻す肥料。葉の色をツヤのある濃い緑にするのに有効な肥料など、様々な種類があるのです。本来、肥料とはその植木の性質や現在の状態に応じて使い分けるべきものなのです。
ちなみに、上記の四角い固形肥料は、植木が肥料まけ(肥料が合わなくて根が傷んだり元気がなくなる症状)することが少ないので、あまり知識がない初心者が使うことの多い肥料です。
施肥(肥料をやること)は、造園業者の腕の見せどころでもあるのです。
3. 剪定後に予防目的で薬剤を散布していませんか?
あなたの造園業者は、剪定の後に「虫の予防」という名目で決まったように薬剤を散布していないでしょうか?風通しがよく、バランスのとれた葉の剪定を行った植木に毛虫はいません。もし毛虫がいたとすれば、剪定するよりも前の段階で薬剤を散布しているはずです。
剪定した後に決まって薬剤散布する業者は、言葉は悪いですがダメ業者である可能性が高いです。このような業者は、薬剤を散布するためだけに再度訪問する手間を省こうとしているだけです。
毛虫が多く発生するのは、春先から秋口にかけてです。毛虫も植木の種類によってさまざまな種類がいます。それぞれの毛虫の発生する時期の前後に薬剤を散布しなければ意味がありません。お金の無駄です。
薬剤を予防目的で散布しても、雨で流れてしまいますので、環境汚染にしかなりません。薬剤を葉に定着させるために接着剤を入れても、やはり数回の雨で流れてしまうため効果は限定的です。毛虫が発生する時期ではないのに、薬剤を散布することがいかに無駄なことかわかって頂けると思います。
冬に発生する毛虫もいますが、このような毛虫は越冬の準備に入ります。わざわざ殺虫剤を撒いて環境汚染をせずとも、京都や奈良の庭園のような冬囲い(幹にわらやコモ材を巻く。その中に害虫がたまりやすい)をすることで簡単に捕獲できます。
4. 環境を気にせずにむやみに殺虫剤を散布していませんか?
殺虫剤は農薬です。農薬である以上、やはり毒があります。のどが痛くなったり、頭痛になったり、ひどい場合は吐き気や嘔吐、かるい鬱状態につながることもあります。
殺虫剤は気軽に撒くようなものではありません。あなた自身もそうですが、あなたのお子さんや飼育している犬や猫は、原因もわからずに上記のような症状が出ていませんか?犬や猫は言葉を話せないため、我々の気付かないところで苦しんでいる可能性があります。散布したその日はもちろんですが、薬剤アレルギーの方は散布から数日は症状で苦しむこともあります。
実は、無農薬で口に入っても大丈夫な薬剤も存在します。一度あなたの造園業者に聞いてみてください。知らない業者もけっこうな割合であります。
5. 植木が少し弱るとすぐ「植替えをしましょう」と勧める業者は注意が必要
植木が少し弱っただけで、何の処置もせずに植え替えようとする業者が中にはいます。
植替えというのは、最も安易な対処法です。このような業者は、任されている他の庭でも同じように植替えしています。技術がないためにすぐに樹木を枯れさせてしまうのです。厳しい言い方をすれば、このような業者は造園業者とは呼べません。NGです。
簡単な樹木医のような処置技術を持った業者を選ぶことをお勧めします。
6. お客様のお庭でたばこや私語を慎んでいますか?
たばこを吸いながら作業をするなど、さすがに言語道断ですが、私語はどうでしょうか?私語ぐらいは気にならないという方もたくさんいらっしゃると思います。
しかし、剪定作業というのは実際にはかなりデリケートな作業です。真剣にやろうと思ったら私語などしている余裕はありません。もし、あなたの造園業者が私語をしているのを見かけたら、枝一本、一本を真剣に剪定していないということです。ひとつひとつの作業をおそろかにしているということです。
作業員の態度は、作業の質に常に現れます。気をつけてみてください。
7. 親方や社長、打ち合わせした本人が現場で指揮をとっていますか?
親方や社長、お客様と打ち合わせをした本人が現場に来ず、説明を受けただけの職人が作業に来ていないでしょうか?このような業者はあなたを大切なお客様とは考えていません。本当にお客様を大切に思っているのであれば、現場に出てきます。
このような業者の親方や社長にかぎって、現場は職人にやらせて自分はゴルフや飲み会ざんまいの生活をしています。職人が頑張ってサービスをしても、残業をしても、それに報いようとはしません。職人を怒鳴り散らし、自ら率先して働こうとはしないものです。
そんな業者の職人に品質の高い作業を求めるのは酷というものです。